大阪市天王寺区上本町の上本町NEWYOU歯科・矯正歯科です。
本日は入れ歯と口内炎の関係についてまとめたのでご紹介いたします。
入れ歯と口内炎の関係 ~痛みの正体と上手な対処法~
入れ歯を使用している方の中には、「入れ歯をつけ始めたら口の中が痛い」「頬の内側に口内炎ができやすくなった」という経験をされた方も少なくないでしょう。特に入れ歯を新しく作った直後や、長時間装着しているときに、口内炎ができやすくなるケースがあります。
ではなぜ、入れ歯を使うと口内炎ができやすくなるのでしょうか? そして、できてしまった口内炎をどうすれば早く治すことができるのでしょうか? 本記事では、入れ歯と口内炎の関係について詳しく解説し、予防法・対処法までご紹介します。
1. 入れ歯が原因で口内炎ができる理由
(1)入れ歯が粘膜をこすっている
最も多い原因は、入れ歯が粘膜にこすれて摩擦や圧迫が起きることです。特に次のようなケースでは、粘膜に物理的な刺激が加わり、炎症が起きて口内炎に発展します。
-
入れ歯が合っていない(緩い・きつい)
-
入れ歯の一部が尖っていたり、角があたっている
-
歯ぐきや頬の内側に強く押しつけられている
(2)細菌やカビの繁殖
入れ歯の内側や歯ぐきとの接着面には、食べかすや細菌がたまりやすく、清掃が不十分だと細菌や**カンジダ菌(カビの一種)**が増殖し、炎症を引き起こします。これにより、「義歯性口内炎」と呼ばれる赤くただれた状態になることがあります。
(3)乾燥・免疫低下
唾液の分泌が少ない高齢者や、薬の副作用、ストレス、疲労などで免疫力が低下していると、口内炎ができやすくなります。入れ歯によるわずかな刺激でも、粘膜が敏感に反応しやすくなるのです。
2. 口内炎ができたときの症状
-
白く小さな潰瘍(ただれ)ができる
-
食べ物や飲み物がしみる
-
会話や咀嚼が痛い
-
入れ歯が当たると強い不快感
-
唇の内側・頬の粘膜・歯ぐきに発症しやすい
これらの症状が1週間以上続いたり、範囲が広がっていく場合は、歯科医院の受診が必要です。
3. 口内炎ができたときの対処法
(1)入れ歯の使用を一時的に控える
痛みが強い場合は、無理に入れ歯を装着せず、一時的に外して安静にしましょう。ただし、長期間外すと入れ歯が合わなくなる可能性があるため、自己判断での放置は避け、早めに歯科医に相談するのが理想です。
(2)患部を清潔に保つ
口内炎は細菌感染により悪化することがあります。以下を心がけましょう:
-
食後はうがい(塩水もおすすめ)
-
入れ歯は毎回ていねいに洗浄(専用ブラシ+洗浄剤)
-
歯ぐきや口の中はやさしくブラッシング
(3)痛み止めや軟膏の使用
ドラッグストアなどで市販されている口内炎用の軟膏や貼り薬を使用することで、痛みを軽減し、治りを早めることができます。ただし、使用中に悪化するようなら中止し、歯科医院での診察が必要です。
(4)栄養バランスの取れた食事を
口内炎の回復には、ビタミンB2・B6、ビタミンCなどが重要です。バランスの取れた食事で、粘膜の修復を促しましょう。
おすすめの食品:
-
レバー、卵、納豆(ビタミンB群)
-
緑黄色野菜(ビタミンC)
-
豆腐やおかゆなど、やわらかくしみない食品
4. 入れ歯による口内炎の予防法
(1)入れ歯のフィット感をチェック
少しでも「当たって痛い」「浮く」「ズレる」と感じたら、歯科医院で調整を受けましょう。放置すると炎症が慢性化する恐れがあります。
(2)毎日正しく洗う
入れ歯は1日1回以上、必ず専用のブラシと洗浄剤で洗いましょう。就寝中は水に浸けて保管し、乾燥や変形を防ぐことも重要です。
(3)入れ歯を清潔に保つだけでなく、お口の中もケア
入れ歯の下や頬の内側は、目に見えない汚れが溜まりがちです。歯ぐきのブラッシングや、マウスウォッシュの活用で粘膜も清潔に保ちましょう。
(4)唾液の分泌を促す
唾液には粘膜の保護作用があります。以下のような方法で唾液を増やしましょう:
-
よく噛んで食べる
-
舌や頬のマッサージ
-
キシリトールガムの活用
5. 義歯性口内炎に注意
「義歯性口内炎」とは、入れ歯の使用によって起こる慢性的な口腔粘膜の炎症です。次のような特徴があります:
-
上あごの入れ歯に多い
-
赤くただれたような状態になる
-
カンジダ菌(真菌)の感染が関係している場合もある
この場合、抗真菌薬による治療が必要になることもあり、自己判断では治りません。違和感を感じたら早めに歯科医院へ相談しましょう。
まとめ:口内炎は「入れ歯からのSOS」
入れ歯と口内炎の関係は非常に密接です。痛みや炎症は、入れ歯が体に合っていないサインでもあります。無理をせず、清潔を保ち、必要があれば歯科医に相談して入れ歯の調整を受けましょう。
また、入れ歯使用者にとっては日々の口腔ケアと粘膜の状態観察が非常に重要です。早期発見・早期対応で、快適な入れ歯ライフを送りましょう。