入れ歯 (入れ歯と口臭の関係)|上本町NEW YOU歯科・矯正歯科|大阪市天王寺区上本町の歯医者

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入れ歯 (入れ歯と口臭の関係)

こんにちは大阪市天王寺区上本町の上本町NEWYOU歯科・矯正歯科です。
本日は入れ歯と口臭についてまとめたのでご紹介いたします。

入れ歯と口臭の密接な関係

高齢化社会の進展に伴い、入れ歯(義歯)を使用する人の数は増加の一途をたどっています。入れ歯は、失われた歯の機能を補い、咀嚼や発音、外見を改善する大切な補綴装置ですが、一方で「口臭」という新たな悩みを引き起こす原因ともなり得ます。では、なぜ入れ歯を使用することで口臭が発生しやすくなるのでしょうか?本稿では、入れ歯と口臭の密接な関係について解説し、原因と対策を詳しくご紹介します。


1. 口臭のメカニズムとは?

まず、口臭のメカニズムについて簡単に説明しましょう。口臭の多くは、口腔内の細菌が食べかすやたんぱく質を分解する際に発生する「揮発性硫黄化合物(VSCs)」が主な原因です。これには硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどがあり、いずれも不快なにおいを発します。

また、口臭は一時的なもの(生理的口臭)と、疾患に伴うもの(病的口臭)に分類されます。入れ歯使用者の口臭は、このうち主に病的口臭に該当する場合が多く、日常的なケア不足や不適切な入れ歯の使用が関係しています。


2. 入れ歯が口臭を引き起こす理由

入れ歯が口臭の原因となる要因は多岐にわたります。以下に代表的な要因を挙げて解説します。

(1) 入れ歯の清掃不良

最も一般的な原因が、入れ歯の洗浄不足です。入れ歯の表面には目に見えないレベルで微細な傷やくぼみがあり、そこに食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。これが細菌の温床となり、口臭の発生源となるのです。

特に夜間に入れ歯を外さずに寝てしまうと、唾液の分泌が減少して細菌の繁殖が活発になり、強い口臭が発生する原因となります。

(2) 義歯の不適合

合わない入れ歯を使い続けることで、義歯と歯ぐきの間にすき間ができ、そこに汚れが蓄積します。すき間に残った汚れは通常のブラッシングでは取り除きにくく、結果的に慢性的な口臭の温床となるのです。

また、義歯のゆるみが原因で食べかすが入り込みやすくなるため、入れ歯の定期的な調整や作り替えが重要です。

(3) 入れ歯による口腔乾燥

入れ歯を装着すると、唾液の流れが遮られることがあります。唾液は口内を洗い流す「自浄作用」を持っており、細菌の繁殖を抑える重要な役割を担っています。唾液の分泌が減少すると、口腔内の環境が悪化し、**ドライマウス(口腔乾燥症)**となって口臭が強くなることがあります。

(4) 義歯性口内炎やカンジダ感染

入れ歯の内側にカビの一種であるカンジダ菌が繁殖すると、「義歯性口内炎」が発生することがあります。この状態では、入れ歯の接触部位に炎症が起こり、赤くただれたようになります。カンジダ菌が分泌する代謝物も強い臭気を放ち、特有の不快な口臭を発する原因となります。


3. 口臭予防と改善のための入れ歯ケア

入れ歯と口臭の関係を断ち切るためには、適切なケアと生活習慣の見直しが必要です。以下に効果的な対策を紹介します。

(1) 毎日の入れ歯清掃を徹底する

入れ歯は「歯ブラシでこすればよい」と思われがちですが、それだけでは不十分です。以下のような正しい清掃方法を実践しましょう:

  • 専用の義歯ブラシを使って、入れ歯の全体を丁寧に磨く

  • 水だけでなく、入れ歯用洗浄剤(酵素タイプ)に毎日浸す

  • 就寝時は入れ歯を外し、清潔な容器に保管する

  • 入れ歯を磨く際は、落下して破損しないよう洗面台にタオルなどを敷く

(2) 口腔内のケアも忘れずに

入れ歯だけでなく、歯ぐき、舌、口蓋(上あご)などの清掃も重要です。特に舌の表面には多くの細菌が潜んでおり、口臭の大きな原因となります。舌ブラシや柔らかい歯ブラシで舌苔を除去する習慣をつけましょう。

(3) 定期的な歯科受診

入れ歯は使用を続けるうちに歯ぐきの形状が変化し、適合が悪くなるため、半年〜1年に一度は歯科医院での調整が必要です。また、口腔内の病気(カンジダ症や歯周病など)の早期発見・治療にもつながります。

(4) 唾液の分泌を促進する

口腔乾燥を防ぐために、水分をこまめに摂取したり、唾液腺を刺激するマッサージやガムの咀嚼なども効果的です。必要に応じて、唾液分泌を促進する医療用製品を使うことも検討されます

まとめ

入れ歯と口臭には密接な関係があり、主な原因は清掃不足、不適合、口腔乾燥、感染症などにあります。しかし、日々の適切なケアと歯科医師による管理を行えば、これらの問題は十分に予防・改善が可能です。口臭は見た目には現れない悩みであるためこそ、周囲に相談しにくく、本人にとって大きなストレスとなることもあります。入れ歯を快適に使い続けるためには、口腔内の清潔と健康を保つことが不可欠です。正しい知識と習慣を身につけ、健やかな生活を送るための一助としていただければ幸いです。